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Image Works in Yasudacho, Kochi 安田町オフィス

2014/04/24

True Stories2度目の高知

豊穣の海  

二度目の高知。ひと月ぶりの訪高を出迎えてくれたのは、生命感あふれる土佐の海でした。羽田を飛び立ち一時間、雲を抜けると緑を盛った四国の土地が現れます。室戸から続く汀線に沿い、高知中央に位置する龍馬空港へと向かう低空飛行。海岸まで迫る山々が作りだす幾重もの稜線と、谷間を這うように蛇行した川すじの美しさにみとれます。

すると、何やら海に動くものが目に入りました。無数の波頭が生まれては消え、小さな白波は密集して広範囲に続いています。目を凝らしてみると、大きめの魚が飛び跳ねていて、先には漁船が一艘、その先にもう二艘、どうやら網を曵いている様子。(後にこの魚は”ボラ”と教えてもらうのですが、)躍動感あるボラ漁の現場に上空から遭遇し、まるで高知の自然に歓迎されているようで、気持ちが高揚するのをおぼえました。

緑葉

五月間近の高知の山々は新緑から深緑まで、色とりどりの緑色が賑わいをみせていました。わずかに覗く薄むらさき色は山藤でしょうか、桐の花でしょうか、とても美しい。

高知の早いところでは三月末から田植えが始まりますが、安田町はちょうど田植え始めの時期で、丁寧に畦付けされ水が張られた小さめの棚田が、鏡のように輝きながら静かに苗が入れられるのを待っています。

安田川は変わらず豊かな水をたたえ、その水の音は町のどこにいても聞こえてくるようです。

山あいの町にはいつも風が吹き、ちょうど節句の鯉のぼりが気持ち良さそうに緑の海を泳いでいます。

風の音、川のせせらぎ、木々のそよぎ、鳥の声

自然につつまれて仕事をする豊かさ ― 赤坂にあるのとは違う豊かさがここにはあります。

オフィス内部の様子
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