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Column

Professional Golfer:Yuka Shiroto 白戸由香

2014/11/07

Meeting a Professional Athlete - Interview with Yuka Shiroto vol.9プロアスリートに聞く - 白戸由香選手インタビュー vol.9

 ゴルフを「楽しむ」こと、自らの可能性を見出し続ける白戸選手にとって、スポーツは身体的な限界に縛られるものではない。


 「スポーツは若さだけじゃないと思う。それを証明じゃないな、自分でやりたいというだけで。もちろんゴルフしちゃえば、スコアにこだわる自分がいる。やっぱりどこか、プロゴルファーって切り離せないから、スコアをたたいたときはショックで落ち込むんですよ、ヘタクソだなって。だから、そこまで打たない自分でいるためには、最低限のことをしなきゃだめだよね、って思う。それはトレーニングもそう。考え方もそう、ストレッチもそう」


 もう一度生まれ変わっても、スポーツ選手になるかと問われると、「基本、貧乏性なんですよね、私」と笑う。


 「動いていないと多分死んじゃう、性格が。だから、スポーツ以外は考えられないかもしれないですね。仕事がスポーツじゃない自分って、ちょっと想像がつかないんですけど」


 もともと夢や憧れを抱いていたわけではないプロゴルファーの道。人々との出会い、タイミング、そしてひとつひとつの選択が今日の白戸選手を形作ってきた。


 「誰かしらが手を差し伸べてくれて、『こういう道があるよ』って…でもそれをつかんだのは自分だから。そういう部分では、自分でちゃんと選択したって言えるようになったのは最近。誰かを頼って何かをしようと思ったことはない。でも、その先にはちゃんと道筋を引いてくれていた人が、結果として誰かしらいた。だから何だろう、私の人生。ポンって現れてくれるんですよね、そういうものが。用意されているかは、よくわからないんですけど」


 何かにトライして失敗するリスクより、「トライすることが自分」と感じるという白戸選手。「人生で後悔はしてないです」とさらりと述べる。


 「ずっと走ってきたプロゴルファーの人生だったんだけども、振り返ることも時には大事だなっていうのがあって。後悔するとかしないとかじゃなくて、自分はこうやってきたんだ、そこに対して人がこれぐらい関わってきたんだなっていうことに気づくことも大切。

 で、今いる自分っていうのは過去が作ってきた自分だから、今ちゃんとしてれば、その先もちゃんとできるんじゃないかなという思いはありますよね。『ちゃんと』というのは難しいですよ、自分の中で。そのときを楽しくって、難しいのよね。アマチュアの人には、楽しむゴルフって提案したいけども、プロで『楽しむ』ってすごく難しい。軽くとる人もいるし、楽しみっていう言葉ひとつでも、挑戦することを楽しんでいる人もいれば、そうやってここにいることを楽しんでいる人もいる。いろいろ楽しみ方も個人差があるじゃないですか。言葉だけでも難しいんだけど。だから今をちゃんと生きているかどうかですよね」



(完)

 

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